ちょこっと 豆知識

今回は「中秋の名月」（お月見）について

朝晩肌寒く感じるようになり、尾花（ススキ）を目にすることが多くなりました。
尾花は秋の七草のひとつ・・・。
秋の七草は「葛・萩・女郎花・撫子・藤袴・尾花（ススキ）・桔梗」の事を云います。
中秋の名月とは十五夜と呼ばれ旧暦の8月15日に昇る🌕の事、今年は9月24日が十五夜です。

現在は西暦のカレンダーを使っていますが、明治時代まで日本のカレンダーは
月の満ち欠けや動きが中心の「太陰太陽暦（たいいんたいようれき）」でした。
空を見上げた時の月のかたちで行事の日が決められていたのです。
月の形によって細かく名前が付いていることから、日本人と月との親密な関係がうかがえるでしょ°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

古くから「お月見」という風習は日本に残っています。
歴史の中でも、毎夜うつりかわっていく月のさまを人の一生や、ものごとの無常と重ね合わせる感性が和歌などに残っています。

日本の古い風習で太陽が昇ってくるのを待つ「日待ち」や月が昇ってくるのを待つ「月待ち」があります。
「お祭り」も「待つ」という言葉と関係しているという説があります。
遠く天や山の彼方からやってくる神さまや精霊を待つのに、場所を清めてお供え物をします。お供え物はやってくる神さまや精霊への目印であったり、お迎えしたときのご馳走です。お迎えした神さまや精霊と一緒にご馳走をいただき、幸せを祈り感謝するのです。

お月見は、秋の作物の収穫を祝う行事でもあります。
お月見団子だけでなく、里芋や旬の作物をお供えします。
一部の地方では、稲穂を庭に立てたり、作神さまにお供えする地方もあるようです。
尾花（ススキ）をお供えするのも稲穂が変化したものといわれ、
お月見を稲の収穫に先立つ「穂掛祭」とする考えもあります。
月には神秘的な物語もたくさんあります。
例えば、月の兎（大国主命のお話）や「竹取物語」かぐや姫のお話です。竹取の翁が竹から娘を授かり、美しく育った娘は十五夜の夜に月に還って行ってしまう日本の昔話📚

現在、電気が普及して夜も明るくテレビやゲームといった娯楽もたくさんあります。
電気のなかった昔、月の明かりは真暗な夜に大変ありがたいものでした。
昔の人は人の一生のなかで2分の1を占める夜という時間が神聖な時間でした。
そして、夜の空に輝く🌕も特別な存在であり、神聖なものだったことでしょう。

心静かに夜空の月に寄り添ってみてはいかがでしょう。
夜という特別な時間が心豊かになる°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
家族と一緒に月が昇るのを待ち、一緒にお酒を飲んだり食事をしたり
楽しいおしゃべりをしたり・・・そんな時間を過ごしてみてください。