ちょこっと 豆知識
世間では春の便りが届き始めましたか?
お山はまだまだ春の足音は遠く・・・寒い日もあります。
今回の豆知識は
「法印転衣式」について
今年は3月12日法印転衣式が執り行われます。
例年「法印転衣式」の執り行われる日は寒い日が多いです。
法印とは、正式には「事務検校執行法印(じむけんぎょうしぎょうほういん)」といいまして、
高野山真言宗の僧侶の中で最高位の方のことです。
一年間、お大師さま(弘法大師空海)の名代として、
高野山で執り行われる重要な法会や儀式で導師を務められます。
転衣式とは、緋色の衣に着替えてお大師さまの名代となったことをお披露目する儀式です。
法印さんになると一年間、高野山の外へ行く事が出来ない規則があります。
今年は高野山清涼院御住職 静慈圓大僧正が第519世事務検校執行法印を務められます。
法印転衣式は一般公開はありませんが、お山の大切な行事として長い歴史のなか、まもられてきました。
法印さんが初めて私たちの前に出仕されるのは3月21日の「正御影供」の日。
3月21日は、お大師さまが御入定された日です。高野山では毎年新暦の3月21日に「正御影供」
旧暦の3月21日に「旧正御影供」として全山をあげてお大師さまに報恩を捧げる大切な日です。
※ちなみに今年の旧正御影供は5月6日です。
この大切な日に、1年間お大師さまの代わりを務められる「法印御房」がご出仕され
重要な法会の導師を務められます。
法印さんの緋色の衣は、昨年の3月21日に宝亀院から金剛峯寺持仏へ、次いで奥之院燈籠堂へ納められ、
「御衣加持」ののち壇上伽藍「御影堂」の内々陣に安置され、1年間供養が続けられた衣です。
今年も、来年の法印さんのために3月21日に御衣が納められ、御衣加持をして御影堂へと納められます。
そうして、現在まで脈々と紡いでこられたお山の歴史のひとつです。
お山では、年中行事として私たちが目にすることができる法会が執り行われている一方で、
各寺院のご住職さんが人知れず、脈々と続けてこられた表に出ない法会もあります。
御縁があって、ご出仕されるお坊さんを見かけたらそっと手を合わせてくださいね。
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